2019年10月1日18時00分(日本時間)、2020年のショパンコンクールのチケット販売開始だった。
販売開始日に先立ち、いろいろ考える。
「3次予選が見たい。でも、ワルシャワフィルのコンチェルトも生で聴きたい!」
「3次予選の6セッション全部(3日間×2セッション)+ファイナルの1日目のチケットをとろう」
「販売開始直後だったら、チケットが買えるんじゃないかなあ。」
と、淡い期待を抱きつつ、ワルシャワで自分が本選を聴いている様子を想像し、まだ聴かぬ演奏を聴いているような感覚になり、涙まで出ていた。
さて、10月1日、18時00分前。職場で仕事中。
なかなか仕事の電話が切れない・・・
ようやく電話が終わった。
18時02分?職場のPCで、ショパンコンクールのチケット購入サイトに接続。
案の定、全然つながらない。
エラーメッセージが出るも、時々画面が切り替わる。
“You are in Line 956”などのメッセージが出て、しばらくすると、「接続できません」という画面になり、またしばらくすると、“You are in Line 432”のようなメッセージが出 てきて、だんだん数字が減ってくる。
「接続できません」の画面や、ポーランド語のエラーメッセージの画面に時々切り替わりながら、いよいよ”You are in Line 4”なり、「そろそろか!?」と期待するも、またエラーメッセージになり、しばらくした後、“You are in Line1054”とメッセージが出て、
「数字、増えてるやん・・・」と落胆。
(*実際の数字は覚えてないので、記憶に基づくイメージです。)
そんなことを繰り返し、PCの画面とにらめっこし、たしか20時00分ごろ、自分の番が回ってきたのか、購入ページに入れて、ここからは、エラーメッセージが出ることもなく、すいすいサイト内を移動できるようになった。
ページには、60分のタイムカウンターが表示されていて、これが1秒ずつ減っていく。「60分以内に購入手続きを完了させてください。」という意味だとわかった。
「60分なら、十分時間があるな」と思いながら、本選の1日目(10月18日)をクリックすると、「チケットオフィスに行ってください」の表示。売り切れなのか、売り出していないのかわからないが、本選の1日目のチケットがないことはすぐに理解できた。
他方で、通し券のページにいくと、なんと、通し券がカートに入ったのだ。
3次予選全部の通し券と、本選全部の通し券。Zone1。
これが両方カートに入った。
しかし、10月14日から10月20日までずっとワルシャワにいるために休みを取るのはどうだろうか、と思い、しばらく悩んだ末、「今は、海外でもパソコンで仕事ができる!休んでしまえ。」と決断して、3次予選、本選の両方の通し券の購入手続きに進もうとした。
ところが、購入手続きに進もうとしても、「オーケストラ ワルシャワフィルハーモニー」と書いてある右のところが、「not selected」と表示されたまま、消えない。
「オケは、ワルシャワフィルに決まってるじゃないか!なんでnot selectedなんだ!」
どこを選択すればよいのか、サイト中にマウスのポインタを当てて、同意事項に同意したり、インヴォイス用の項目を入力したり、ログインパスワードを設定したり、いろいろやって、時間が過ぎていく。
しかし、どうやっても購入手続きに進めない。
サイトは英語表示にしていたけど、一部ポーランド語が残っていた。ポーランド語の文章の最後は「!」だったので、何かのエラーメッセージだとは思っていた。
グーグルでこれを翻訳にかけてみようということを思いついた時点で、残り時間25分程度。
グーグルで翻訳にかけるのにも少し手間取り、数分後、どうやら、このエラーメッセージの意味は、「あなたのカートには選択されていない項目があります。」という意味だということがわかった。
選択されていないといわれても、何を選択してないというんだい。座席は選んでいないけれど。
画面上には、1階席と2段のバルコニー席の絵、そこにマウスのポインタを合わせても何も反応しない。
ひょっとして、チケットがカートに入っても、席がないということ??
そのときの私は、3次予選と本選のことしか頭になかったので、1次予選や2次予選の日を選択して試してみる、ということに長く思い至らなかった。
2次予選の日をクリックして、バルコニー席にマウスのポインタを合わせると、反応した。そこをクリックすると、座席選択のページに移った。
つまり、この時点で、2次予選の日は、バルコニー席の残席があったが、
他方で、3次予選の通し券、本選の通し券は、すでに残席がなかったのだ。
残り時間約4分。
2次予選なら座席がとれるといっても、残り時間で、座席選択をして、クレジットカードの情報を入れるというのはもう無理だろう。
また、21時頃の時点で、3次予選の日のチケットは、どのセッションも売っていなかった。
時間切れになった21時頃、もう一度サイトへのアクセスを試みるも、やはりエラーメッセージが出て、なかなかつながらない状態。
心が折れた。
自分は、招かれざる客だったのだ。
諦めよう。
苦い思いをしながら、職場を後にした。
帰り道、駅のホームで、電車の中で、悲しい気持ちになる。
「悔しい・・・」
「2020年のワルシャワ行き、短い夢だった。」
自宅への帰り道、電車に乗っていると、冷静になってきて、「いや、一次予選のチケットなら、まだあるはず。3次と本選にこだわってたけど、一次予選って、ファイナルまで残る人から、一次で止まってしまう人まで、いろいろな演奏が聴けるのでは。一次予選を聴きに行くのって、実はすごくいいのでは?」
そう思い直して、22時過ぎ、自宅に到着して、すぐに自宅PCでサイトに接続。この時点では、まったく待たされないで、すぐにサイトに入れた。
2次予選は、ほぼ完売。他方で、1次予選(2020年10月3日から10月7日)は、最終日の後半のセッションなどは売り切れだったが、10月4日の後半、5日、6日、7日前半などのセッションは、1階席の後ろの方や、2階席で、残席がいくつか残っていた。(基本的にzone3、一部ごくわずかにzone2)
10月4日後半から10月7日前半まで、1次予選、1階席の後ろの方の席(真ん中より左側)を購入。
Zone3だと、一次予選の1セッション30ズロチ(約810円)。安い。三次予選や本選のZone1と比べてめちゃくちゃ安い。
メールアドレスや、クレジットカードの情報を入れると、pdfファイルのチケットがメールで送られて来た。
「プリントアウトして、入口で渡してください」と英語で案内文。クレジットカード利用の通知は来たし、pdfのチケットにはバーコードがついているから、大丈夫だとは思うけど、これでいいのか??
6セッションで約5000円也。
あとは、飛行機と宿。1年後だと、まだ予約できないかな。
サイトを見ると、ワルシャワ3泊4日+往復航空券で15万円くらいのがあるけど、ショパンコンクールの時期は、高くなるかもしれないですね。
1次予選80人 → 2次予選40人 → 3次予選20人 → 本選10人弱で、1次予選は、1セッションあたり、25分×8人だったかと思います。
6セッション分のチケットを買ったので、25分×48人の演奏を聴けるわけだ。
ほとんど、行って、聴いて、帰るだけになりそうだけど。
今から楽しみです!!
<追記>
この後、コロナウイルス感染拡大の関係で、2020年のショパンコンクールは延期になってしまいました。
2021年のワルシャワ行きは、仕事の関係で難しいかも。とても残念ですが仕方がない・・・。